平成30年3月定例会(縦3段)村長の施政方針

平成30年第二回弥彦村議会3月定例会施政方針 3月7日(水)

平成30年第2回弥彦村議会3月定例会の開会にあたりご挨梭申し上げます。本日は春先のご多忙のなか、議員9名のご出席を賜り心より御礼申し上げます。誠に早いもので本年は私の任期最終年となりました。村長就任後の3年間で村政について沢山のことを勉強いたしました。変えていかなければならないこと、強化しなければならないこと、捨てなければならないことがはっきり見えてきました。今3月定例会に上程させていただきました平成30年度一般会計当初予算案もその一つであります。昨年度までの予算編成のやり方を大きく変えさせていただきました。これまでの弥彦独自とも言える編成方式から、世間一般の自治体が採用している予算の作り方に切り替えたものであります。本会議初日冒頭の招集のご挨拶も、他の市町村同様に挨拶と施政方針の表明に変更させていただきたいと思います。

平成27年度に策定しました弥彦村総合戦略の中で、村政の基本に「住みたい村住み続けたい村」作りを掲げました。住みたい村住み続けたい村とは、村民一人ひとりの顔の見えるきめ細かい行政サービスを実現できる村でなければなりません。そのためには、弥彦村がこれからも自立した村であり続けることが極めて重要となります。弥彦村が_立の道を選択したのは、行政サ—ビスの質を落とさない、向上させる、すべてこの目的のためだつたと信じております。弥彦村が他の自治体と合併せずに生き残るた めには、それを可能にする財政の裏づけがどうしても必要となります。財政の裏づけがなければ、村民皆さんからのいろんな要望があっても答えてゆくことは出来ません。それでは自立の道を選択した意味がなくなってしまいます。

財政の裏づけがきちんと出来ているということは、簡単に言えば、村民皆さんのご家庭と同じように必要な支出を、貯金を取り崩したり、借金をしなくとも払える安定した給料、 収入源があるということです。

残念なことに弥彦村はいま、財政の裏づけが出来なくなってきております。普通の給料、収入源では必要な支払いを出来ない状況に陥っていることを、もはや村民皆さんの前に明らかにしなければなりません。通常の給料のほかに特別な収 入源を見つけたのにもかかわらず、貯金を取り崩さなければ家計を維持できない、そんな事態に今村は直面していると言わざるを得ません。村民の皆さんの中には、私が村長に就任してから、なぜそんなに悪くなったのか、と疑問に思われる方も多いと思います。これまではきちんとした予算編成を出 来てきたではないか、との疑問も抱かれるでしょぅ。

この3年間、村政、財政運営を担当してきて理解できず、不思議で、担当者の説明を聞いても納得できないことが幾つかありました。その際たるものは当初予算の規模と決算の規模が私の感覚では、あまりに違ったことでした。平成28年度を例にとって見ます。当初予算の総額は38億1000円でした。これに対し決算総額は44億1650万円と予算 に比べ約16%に当る6億円強も増えております。当初予算 時の歳入見込みに比べここまで増える理由が、原因が理解できませんでした。

いま一つ納得できなかったことがあります。公共工事の発注時期についてでした。村内の建設土木業者の皆さんから、4月から6月にかけて「仕事がないから工事を発注してほしい」との要望を何度もお聞きしました。公共工事には国からの補助金、交付金をもらって行う事業と村の税金だけで実施する工事があります。国から補助金を受けてやる工事は、国会で予算が承認された後、補助金交付金の額が決まり、その後発注となります。しかし、村の税金で行う事業は予算の決まり次第可能なはずです。ところが村単独事業の発注は年の後半に集中しています。早期発注を担当者に指示しても変わりませんでした。発注作業の職員が少ないために間に合わないためと思つておりました。

私に理解できなかったこの2つのことは、実は同じ理由からだといぅことが平成30年度予算編成の査定作業の中でようやく判明、理解できました。予算編成は専門的知識、経験の必要な一般の人には非常に分かりにくい分野です。村長になるまで村の財政運営、予算編成とは無関係のところで生活してきました。財政、予算編成には全くの素人でした。必死になって資料を分析、考えた結果、自分なりに答えを何か見つけ出したものです。

その私なりの答えとは、弥彦村の当初予算が、普通一般に国、自治体が行っているよぅな12ヶ月(通年)予算編成ではなかったと言うことです。年間予算の形を取っていても、 弥彦村の一般会計当初予算の実態はいわば9力月予算だったといえます。税収、国からの交付金、補助金などある程度予測できる範囲内で歳入見込みをたて、それを超える歳出は、その後の歳入が確定するまで段階まで見送り、金額が確定するのを待って補正予算を計上して事業を実施する、とのやり方 を取つていたということなのです。したがって当初予算は必ず形の上ではきれいな歳入歳出が見合った予算案となるわけです。当たり前のことですが、それでは本当の予算ではありません。予算とは年間の歳入額を決め、それに見合った歳 出を決めることであります。それでなければ、村の財政の実態など分かるはずもなく、歳入不足に陥ることに対し、予め対策を立てるなど出来るはずもありません。

当初予算確定後最終的に歳入の規模を左右したのは、前年度決算で発生する繰越金でありました。毎年経費節減などで使わずに余った予算は、本来財政調整基金に積むべきものであるにもかかわらず、村は繰越金として次ぎの年度の歳入原資に当てていたのです。しかも、この繰越金の規模が億円を越えるという巨額であったことが、11年間もの間、競輪事業からの繰入もなしに村の財政が回ってきた背景にあったとしか言いようが在りません。このことが、当初予算に比べ決算の規模がとんでもなく増大していた理由だったと言えます。 同時に、村単独の公共事業なのに、全体の歳入が本当に確定するまでは安全を見込んで発注出来なかったというものであります。

昨年秋、財務省関東財務局新潟財務事務所の幹部の方が役場を訪れました。平成27年度の弥彦村の財務状況を分析した結果を説明いただきました。その中で弥彦村に財政収支計画がないことを懸念し早期の策定を促すご指摘をいただきました。弥彦村は平成16年3月に行財政改革推進計画策定素案(案)を発表、同22年3月に中期財政計画改訂版の策定に着手しています。しかし、素案も、改定案も完成した成案を見つけることが出来ませんでした。

弥彦村は平成16年自立の道を選択したあと、財政運営に必要な、船でいえば羅針盤もなく、しかも、単年度で言えばどんぶり勘定のようなやり方で財政の舵取りをしてきたことになります。その結果、村は平成24年度、25年度、26年度、28年度、29年度、そして30年度と都合6年間実質単年度収支で赤字となってしまいました。私が村長に就任した平成27年度からは、ふるさと納税による寄付金、競輪事業からの一般会計繰り出し金が2億円近く毎年歳入として入っているにもかかわらず改善されるどころか悪化の一途をたどっています。

弥彦村は財政健全化に待ったなしで取り組まなければなりません。財政再建という言葉を使わなかったのは、まだそこまでの最悪の事態に至っておらず、その一歩手前で踏みとどまっているからであります。国の指示で作成した学校、橋梁などの弥彦村公共施設等総合管理計画によれば、村は今後40年間に渡り、年間約15億5000万円もの巨額な資金が公共施設改修に新たに必要になると報告されています。このままでは手を打ちようがありません。この極めて厳しい状況を 打開するため、私は平成30年度次のような施策に取り組む事を決めました。

まず、財政健全化のため新潟県のご指導のもと行政全般の見直し、洗い直しを実施します。同時に、財政運営、予算編成には専門的な知識、テクニックも必要なことから、これも県の協力を得て人材育成に着手します。そのことによって出来るだけ早い時期に中期的財政収支計画の策定に乗り出せる体制を作り、作業をスタートさせなければならないと思っております。

財政全般の見直しは当然予算全体の見直しにつながります。それにより事業の見直しにも手をつけざるを得なくなり ます。一方で、自立の目的は、村民の皆さんに対するきめ細かい行政サービスの実現ですから、強引な財政縮小は何としても避けなければなりません。村長就任以来、ふるさと納税の導入、競輪事業からの一般会計繰り出しで、村の歳入増に務めてきました。結果も出しました。しかしこれからは、更に一段と歳入増、すなわち自主財源増大に取り組まなければなりません。

ふるさと納税は魅力ある返礼品の更なる充実を図ります。返礼品の大半を占める伊弥彦米などお米は、一段と納税者を引きつける物にしなければなりません。弥彦神社のお力を借りて何とか取り組まなければならないと考えております。ありがたいことに、神社からは基本的に協力をしても良いとのご意向をいただいております。返礼米に当てるお米の量の確保も重要となります。これも協力農家の拡大、JA越後中央のご協力ご支援を得て解決してまいりたいと考えております。 当初予算案では慎重に見積もっておりますが、最終的にはこうした積極策で1億円増を目指します。

競輪事業は収益改善、利益を更に増大させるため、ナイター競輪実施に向け作業に着手する予定であります。実現には競輪場周辺の住民の皆さまのご協力、ご同意が不可欠となるため、ご理解を得るよう丁寧な説明を行う一方、経済産業省、 全国競輪施行者協議会、JKA、競輪選手会にもお願いして回る所存であります。ナイター競輪は、前年度から実施したミッドナイト競輪と違い大きな利益増は見込めません。しかし、現在の赤字開催レースを確実に減らすことが出来るため収益改善一般会計繰り出しに大きく寄与してくれると期待しております。

しかし、財政健全化に向けて歳入面で一番大事なことは、税収を増やすことであるのは言うまでもありません。しかも、このことが最も難しいことも確かなことであります。幸いなことにこの3月国の地方創生の支援制度を活用したおもてな し広場が、グランドオープンします。おもてなし広場そのものは村有地であるため固定資産税が取れないなど税金面での貢献は大きく期待できません。しかし、神社参拝客、観光客の流れが変わることは間違いなく神社から弥彦駅までのお店 にチヤンスが必ずや出てくると思っております。弥彦に賑わいが戻ってくれば、新たに弥彦に進出を計画する事業者が増えると確信しております。結果、初めて安定した村税の増収が現実のものとなるはずです。

法人村民税のサービス部門で、観光地にもかかわらず、全体で500万円以下という現在の惨めな状態では、とても自立を維持するなど望める話ではありません。おもてなし広場を成功させるため、思い切った予算を計上したほか、専門の コンサルタントと村が契約パックアップすることにしました。コンサルタントにはおもてなし広場だけでなく、弥彦全体や競輪場店舗の改善策も手助けしてもらう予定にしております。

さらに、村の活性化にとつてこれ以上望めないという民間のプロジェクトも動き始めていることもご報告しなければなりません。遅くとも平成32年開業を目指し、大型のデスカウントショップが弥彦村に進出してくれることを決め、具体的に準備作業に入っています。民間企業のことなのでこれ以上詳しいことは明らかに出来ませんが、実は昨年春から村と接触が始まり、進出のためには村が全面的に協力をすると申し出ておりました。実現の暁には税収面での大きな貢献と雇用の増大が約束されております。さらに、地域の資源と特性を生かした優れた村内の産品を弥彦ブランドとして認証し、弥彦の産物PR、販売促進につなげることも、今後検討したいと考えております。

歳出面では現在年間約二億八千万円を払っている下水道 特別会計への一般会計からの繰り出しも後4年後には大幅に負担が少なくなります。歳入増を積極的に図る一方、無駄な歳出を徹底的に削減する、という当たり前のことに全力で取り組めば何とか打開策が見えてくると確信しております。平成30年度予算案はその第一歩の予算案であります。議員各位におかれましてはその点を良くご理解の上慎重審議、ご承認を宜しくお願い申し上げます。